Celadine

セラディーン

Celadineは、古い館の室内という閉じた空間に、空や森、星の広がりといった外の世界を静かに招き入れるアーティストである。壁と天井に守られた場所と、その境界を越えて流れ込む自然とを一枚の画面に同居させ、内と外がほどけていく瞬間を物語として定着させる表現者である。

その表現は、青磁を思わせるターコイズブルーを基調に、ローズや金の差し色を織り込んだ色彩設計によって成り立っている。シャンデリアや彫刻の施された柱、積み上げられた本といった緻密な描き込みが館の時間の厚みを支え、そこへ雲の塊や苔、星雲の光がやわらかな輪郭で重ねられる。硬質な建築の密度と、境界を持たない自然の流動性との対比が、画面に幻想と現実の両方の手触りを与えている。

Celadineは、驚きを演出するために非日常を描くのではなく、長く人が暮らしてきた場所に、ふと別の世界が入り込んでくる気配を描く。家具や書物の一つひとつに残る使われてきた痕跡が、幻想に確かな体温を与えている。

Celadineの作品世界は、記憶の中の館が、夢の中で空とつながっていく情景である。見る者は、懐かしい部屋に立ちながら、その天井の向こうにある果てしない広がりを同時に感じ取ることになる。

コレクション: Celadine