ナギルカ

Nagiruka

ナギルカの描く風景は、静けさと光に満ちた“心の中の理想風景”。

アニメ的な線の美しさに、やわらかな光と空気を溶け込ませることで、
誰もが一度は見たことがあるような、でも確かに新しい「記憶の中の春」を描き出す。

ピンクを基調にした色彩設計は、やさしさ・ときめき・切なさといった感情を宿し、
水面や空に映り込むグラデーションは、時間の流れや空気の温度を映し出す。

写実とデフォルメのちょうどあいだで構築された構図は、現実と幻想の境界にあり、
日常の一瞬を、物語のはじまりのような情景として浮かび上がらせている。

モチーフとしてよく登場するのは、桜並木、水辺、淡い街灯の光、そして歩く少女の後ろ姿。

それらは「誰かの視点」ではなく、「誰もが見たいと願う視点」で描かれており、
画面の中には、喧騒のない時間と、そっと心に触れるような静謐さが漂っている。

現実の延長線上にありながらも、どこか夢のよう。

ナギルカの作品は、観る人の心の中に、やさしい余韻と小さな物語を残してくれる。

コレクション: ナギルカ