sui

スイ

suiの作品に一貫して流れているのは、色とストロークそのものが持つエネルギーを、感情として立ち上げていく姿勢。

何を描くかよりも、どのような勢いで、どのようなリズムで描かれるかが常に重視されている。

太く、ざらつきを残したストロークは、手の動きや速度を隠さず、そのまま画面に刻み込まれる。

重ねられた線や色は整理されすぎることなく、擦れやにじみ、部分的な透明感を伴いながら、視覚的な流れを生み出していく。

静止した画面でありながら、どこか音や風を感じさせるようなダイナミズムが宿っているのが特徴だ。

色彩設計においても、奥行きや写実性より「色同士の響き」を優先する。

反対色や高彩度の組み合わせを恐れず配置し、ぶつかり合いの中から生まれる振動や高揚感を、そのまま作品の強度として成立させている。

淡いトーンと鮮烈な色が共存することで、画面には軽やかさと力強さが同時に存在する。

suiの表現は、具象と抽象のあいだを自由に往復する。

形を明確に定義しすぎず、見る側の感覚が入り込む余白を残すことで、作品は鑑賞者ごとに異なる印象へと変化していく。

それは再現ではなく、感覚の共有に近い行為だと言える。

色と線の勢いを信じ、感情のままに画面を走らせる。

suiの作品は、対象を描く前に「描く行為そのもの」を肯定する、開放的で前向きなエネルギーを放っている。

コレクション: sui